令和3年6月17日


 蒸し暑い日が多くなり、汗疹や熱中症への注意をお願いします。
 現在、大きく流行している感染症はありませんが、細気管支炎と嘔吐下痢症の発生が目立っています。他にも、夜に咳き込む風邪、症状が発熱だけの風邪、鼻水の強い子などがありますが、小児科外来はすいています。
 現在流行中の嘔吐下痢症は腹痛や嘔吐が主症状で下痢を伴わない場合が多くなっています。嘔吐は1日程度で治まりますが、下痢を伴う場合は4〜5日間続きます。ノロウイルス、アデノウイルス、サポウイルス、アストロウイルス、パレコウイルスなど、多くのウイルスが原因となります。水道水での手洗いが基本ですが、消毒用アルコールは効果が不十分で、ミルトンやキッチンハイターなどの塩素系の消毒薬や漂白剤および85℃で1分間以上の加熱がこのウイルスの消毒に有効とされています。
 熱中症は夏以外でも急に暑くなったときや、体が暑熱環境や体の発熱に馴れていないために生じます。空調のない室内でのスポーツも要注意です。子どもの環境をチェックし、予防を心がけてください。日頃から外遊びを奨励し、暑さに慣れるような生活を心がけることも大切です。晴天のときには照り返しのために地面に近い低い位置の気温が高くなります。特にベビーカーの中は風通しも悪く注意が必要です。晴れた日の空調を止めた車の中は非常に暑くなりますので、子どもを車内に放置する事は止めて下さい。
 RSウイルスの問い合わせが増えています。長文になりますが、このウイルスに対する考え方を記載します。
 RSウイルスは冬から春にかけて流行し、潜伏期間は2〜8日の鼻水、くしゃみ、微熱、咳などを伴う風邪ウイルスの一つです。2歳までにほぼ100%が初感染をうけ、何度でも感染、発症します。しかし、再感染を繰り返す毎に免疫力も徐々に獲得して症状も軽くなっていき、大人や年齢の大きな子では鼻風邪程度で済みます。小さな子でも多くは咳と鼻水の風邪で治りますが、稀に細気管支炎や肺炎となることがあります。特に生後6か月以下の子では要注意です。
 細気管支炎は気管支の末端に近い細い部分が狭くなり、肺に出入りする空気の流れが妨げられ、呼吸困難を引き起こし、特に息を吐くことが困難な状況になる病気です。乳児の細気管支は非常に細く、炎症が起きると痰がすぐにたまって空気が通り難くなります。咳、鼻水などの風邪の症状が2日程続いた後、息を吐くときにゼーゼーという音がしたり、呼吸回数が多くなり、呼吸時に胸が凹みます。罹病期間は通常7〜12日で、ほとんどの乳児では症状は軽度で治ります。ただ、一部の乳児では、呼吸困難が悪化し、入院を必要となる場合もあります。主な原因はRSウイルスですが、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルス、メタニューモウイルスなど多くのウイルス感染症でも発症します。小さな子が鼻水に咳を伴っている場合は小児科専門医を受診して下さい。
 RSウイルスに対する治療薬はなく、咳や鼻水に対する対症療法になります。脱水気味になると痰が絡み、咳込みなどがさらにひどくなり、水分を取れず、どんどん悪くなります。こまめに母乳やミルク、お茶、イオン飲料水などの水分摂取を心がけて下さい。加温、加湿を心がけて下さい。咳き込んだ時には抱っこしてあげたり、上体を起こして背中をさすってあげると少し楽になります。
 発症前の潜伏期にも周囲の人を感染させますし、小児では症状が消えてからも1?3週間後でも感染力があるといわれ、年長者では鼻水程度の軽症例も多数存在することから、家族間や乳幼児の集団生活施設等での流行を効果的に抑制することは困難とされ、日本小児科学会の登校(園)基準では咳などの症状が安定した後、全身状態のよい者は可能となっています




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