令和7年6月23日


 暑い日が続いています。熱中症や食中毒に注意が必要です。薄着を心がけてください。リンゴ病が流行していますし、軽症で治る嘔吐下痢症や夜に咳き込む風邪の流行はまだ続いています。症状が発熱だけの風邪、のどの痛みを訴える風邪、鼻水の強い子、細気管支炎などもあります。

これからは病気の発生は少なく、秋までは小児科外来は混まなくなるのが一般的です。予防接種や日頃気になっていることを相談するには良い時期と思います。予防接種をチェックしてみて下さい。接種無料券が使える年齢が限られています。不明な場合は保健所や小児科に問い合わせて下さい。

 熱中症は急に暑くなった時や、体が暑熱環境や体の発熱に馴れていないために生じます。@気温は高いときに起こりやすいのですが、気温はそれほどでもなくても湿度の高いときA前日に比べ急に気温が上昇したB無風状態C砂やアスファルトなどの日光の反射が多い所などが起こりやすいとされています。空調のない室内でのスポーツも要注意です。マスクも息苦しさを伴います。子ども達の環境をチェックし、予防を心がけてください。日頃から運動や外遊びを奨励し、暑さに慣れるような生活を心がけることも大切です。

 晴天のときには照り返しのために地面に近い低い位置の気温が高く、子どものほうが暑さを感じています。特にベビーカーの中は風通しも悪く注意が必要です。晴れた日の空調を止めた車の中は非常に暑くなりますので、子どもを車内に放置する事は止めて下さい。

 小さな子では当然ですが、小中学生でも行事や運動に夢中になると周囲の状況や自分の体調を気にしないで行動します。子どもは自分で予防することは困難ですので、周囲の大人が子どもの体調を気にかけてあげることが必要です。

 子どもの顔が赤く、汗をかなりかいている時は身体の深部体温はかなり上昇している可能性があり、涼しい環境下で休ませてあげて下さい。強い疲労感や嘔吐、意識障害などの症状が出ている場合は、点滴や入院が必要です。少しでも意識がおかしい場合や、水分を与えても自力で飲めない状況では、すぐに救急車を要請して下さい。

 細菌性食中毒は腸炎ビブリオ、カンピロバクター、サルモネラ、腸管出血性大腸菌、黄色ブドウ球菌などが原因で、症状は腹痛、嘔気・嘔吐、下痢など、菌が腸管壁へ侵入すると便に血液や膿が混入します。一般的には、菌が腸管内で増殖して毒素などを出し、発症しますので増殖(8時間から数日)してから発症しますが、ブドウ球菌などは食物の中で増殖して毒素を出し、その増えた毒素を食べての発症ですので食後数時間で発症します。

 食べた細菌数や毒素の量が少なければ治療なしでも自然に治ります。菌や毒素を少なくすることが重要で、@菌を付けない:食品や調理器具、手をよく洗う。A増やさない:なるべく早めに食べる。冷蔵庫などに保管する。B菌を殺す:十分な加熱処理を行うなどを心がけて下さい。下痢を止める薬は悪い菌の排出も止め、重症化させる可能性があり、使用しないで下さい。




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