令和8年10月20日


 涼しくなってきました。軽症で治る嘔吐下痢症、夜に咳き込む風邪、症状が発熱だけの風邪、のどの痛みを訴える風邪、細気管支炎、インフルエンザなどがあります。

 咳、痰などは気管などに入った異物を外に出そうとする働きがあります。咳や痰を薬で無理に止めてしまうと細菌やウイルスなどが外に出ず、困ることがあります。小児科では薬などを使って痰を出しやすくし、咳を軽くします。冷たい乾いた空気やホコリっぽい空気は咳を悪化させますので、夜は部屋の加湿を心がけてください。

 子どもは口で息をするのが下手なため、鼻水で鼻がつまると寝てくれません。抱っこして上半身を起こしてあげると鼻が通るようになり寝てくれますが、親も子も寝不足になります。鼻水を軽減させる薬があり、少し眠気が出て眠りやすくなります。薬をうまく使って、親子とも十分な睡眠がとれる無理のない子育てをして下さい。

 インフルエンザワクチン接種が始まっています。大きな子や大人は1回、小さな子は2回の接種になります。値段は高くなりますが、2歳〜18歳までの子どもでは鼻の穴にワクチンを入れる経鼻ワクチンがあり、痛みはなく、1回で済みます。

 インフルエンザはウイルスと接触後1〜3日で発症し、高熱のために熱性けいれんや幻覚(幻視、幻聴)による異常行動が生じやすくなります。治療にはタミフル、リレンザ、イナビル、ゾフルーザなどが使われます。インフルエンザの治療薬は発症早期に使用したほうが効果が良いのですが、タミフルは美味しくありませんので、服用を拒否する子もいます。治療することで発熱期間などが短くなりますが、薬を使用しなければならないわけではなく、使用しなくても自然に治ります。

 小児では高熱のために熱性けいれんや幻覚(幻視、幻聴)による異常行動が生じやすくなります。発熱時に、壁に向かって一人でしゃべる、一人で笑う、「−が来る」「−が見える」「怖い」などと叫ぶ、恐怖の対象から逃げようとするといった行動が時々見られます。これは脳症ではなく、熱せん妄といわれる状態です。高熱になると小児では神経系が未熟なため、熱せん妄といわれる幻視や幻聴などの幻覚や異常行動などが生じやすくなるのが原因で、年齢が大きくなり神経系が成熟するに伴いおこらなくなってきます。幻覚の内容によっては恐怖で走り出す場合もありますので怪我をしないように注意して下さい。また、幻覚が1時間以上続く場合は脳炎との鑑別が必要ですので、小児科がある病院を受診して下さい。 

 ボルタレンやポンタールなどの脳症を起こしやすくする解熱剤があります。解熱剤は熱のため機嫌が悪く寝てくれないなどに限定してアセトアミノフェン(カロナールなど)を少量使用するなどにとどめて下さい。総合感冒薬(いわゆる風邪薬)のほとんどに解熱剤が含まれており、病院で処方される総合感冒薬にも脳症を起こしやすくする解熱剤が含まれている場合もあります。注意が必要です。脳症は意識障害や痙攣が長時間持続して脳に後遺症を残しやすい病気ですが発生は非常に稀です。これらの解熱剤を使用しなくてもなりますし、高熱だから脳症になるわけではありません。




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