卒業、終業のシーズンです。もうすぐ入学や新学期が始まり、子どもたちの環境が大きく変化します。このような環境の変化にゆっくりとしか適応できない子もいます。何となく元気がない、腹痛、頭痛、登園や登校が困難になるなどの体調を崩す子も多くなります。体調不良を理解してあげて、家族で遊ぶなどの気分転換を十分にすることと、朝の日光を浴びる、身体を動かすなど、出来るだけ屋外で過ごす時間を確保するなどを含めた精神的なサポートと体調管理をお願いいたします。
麻疹・風疹混合ワクチンが1歳と小学校入学前1年間での2回接種が公費による定期接種として行われております。2回の接種で、免疫効果が高くなり、長期間続くようになります。この4月から小学校に入学する子の2回目の麻疹風疹混合ワクチン接種の公費負担接種は3月31日まででしたが、現在、ワクチンの供給量が少なくなっており、期間内に接種できない子が存在する可能性から、今回に限り1歳と小学校入学前1年間の無料接種期間が2年間延長されます。ただ、接種後に抵抗力を獲得しますので、遅い接種よりは早めの接種のほうが良いのは明確ですので、ワクチンがあれば早めの接種をお願いいたします。その他のワクチンも接種忘れがないか、母子手帳などでのチェックをお願いいたします。
暖かくなってきました。インフルエンザB型が出現し始めました。まだ軽症で治る嘔吐下痢症や夜に咳き込む風邪の流行が続いています。症状が発熱だけの風邪、のどの痛みを訴える風邪、鼻水の強い子、新型コロナウイルス感染症、細気管支炎、リンゴ病などもあります。
細気管支炎では初期は鼻水、くしゃみ、微熱、咳などの感冒様症状です。咳、鼻水などの風邪の症状が2日程続いた後、息を吐くときにゼーゼーという音がしたり、呼吸回数が多くなり、呼吸時に胸が凹みます。ほとんどの乳児では症状は軽度で治りますが、一部の乳児では、呼吸困難が悪化し、入院を必要となる場合もあります。小さな子が鼻水に咳を伴っている場合は小児科専門医を受診して下さい。
現在流行中の嘔吐下痢症は腹痛や嘔吐が主症状で下痢を伴わない場合が多くなっています。嘔吐は1日程度で治まりますが、下痢を伴う場合は4〜5日間続きます。ノロウイルス、アデノウイルス、サポウイルス、アストロウイルス、パレコウイルスなど、多くのウイルスが原因となりますが、これらのウイルスを抑える薬はありません。水道水での手洗いが基本ですが、消毒用アルコールは効果が不十分で、ミルトンやキッチンハイターなどの塩素系の消毒薬や漂白剤および85℃で1分間以上の加熱、紫外線がこのウイルスの消毒に有効とされています。
伝染性紅斑(りんご病)という顔面の頬部(ほっぺ)と腕、下肢が赤くなる病気が散見されます。発疹が出る1週間前頃には他人に感染させますが、発疹が出る頃には感染させません。通園や通学はOKです。妊婦さんが感染するとおなかの中の赤ちゃんが貧血になる可能性が稀ですがあります。妊婦さんに近づかないほうが無難です。
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