令和7年7月18日


 暑い日が続いています。薄着を心がけてください。リンゴ病や小さなぷつぷつした発疹が出るウイルス性の発疹症が流行していますし、軽症で治る嘔吐下痢症や夜に咳き込む風邪の流行はまだ続いています。症状が発熱だけの風邪、のどの痛みを訴える風邪、鼻水の強い子、ヘルパンギーナなどもあります。

 これからは病気の発生は少なく、秋までは小児科外来は混まなくなるのが一般的です。予防接種や日頃気になっていることを相談するには良い時期と思います。

 夏に流行しやすい、足口病、ヘルパンギーナ、咽頭結膜熱(プール熱)を小児科では3大夏風邪と呼んでいます。のどの奥が真っ赤に腫れたり、口内炎ができてのどの痛みが強いのが特徴です。これらの病気をおこすウイルスは各々数種類ずつあり、何回もかかりますが、有効な薬はなく、自然に治ります。


1、手足口病

 口内炎、手のひらと足の裏に小さな赤いまたは水泡性の発疹ができます。乳幼児では膝前面や臀部にも発疹ができます。口内炎は小さな潰瘍となりますので痛みを伴います。微熱が出る子もいますが、自然治癒します。


2、ヘルパンギーナ

 突然の発熱に続いて、のどの奥が真っ赤になり、すぐにその部分に1〜2mmの口内炎が出来ます。口の中の痛みが強く、機嫌が悪いのが特徴です。発熱は1〜4日で消失し、口内炎もその後消失します。ほとんどが4歳以下の子です。自然治癒しますが、稀に心筋炎や無菌性髄膜炎になることもあります。


3、咽頭結膜熱

 発熱で発症し、頭痛や全身倦怠感、咽頭通、結膜充血や眼脂が出現します。のどの奥が真っ赤になり、目の結膜炎、高熱が4、5日続きます。目の結膜炎は片方に生じ、続いて他方に移ります。タオルなどの共有で感染させますが、プールでの感染は少なく、主には咳や目やにからの感染です。タオルの共有は止めてください。主症状が消退した2日後まで登園や登校は止めて下さい。

 晴天のときには照り返しのために地面に近い低い位置の気温が高く、子どものほうが暑さを感じています。特にベビーカーの中は風通しも悪く注意が必要です。晴れた日の空調を止めた車の中は非常に暑くなりますので、子どもを車内に放置する事は止めて下さい。

 小さな子では当然ですが、小中学生でも行事や運動に夢中になると周囲の状況や自分の体調を気にしないで行動します。子どもは自分で予防することは困難ですので、周囲の大人が子どもの体調を気にかけてあげることが必要です。

 子どもの顔が赤く、汗をかなりかいている時は身体の深部体温はかなり上昇している可能性があり、涼しい環境下で休ませてあげて下さい。強い疲労感や嘔吐、意識障害などの症状が出ている場合は、点滴や入院が必要です。少しでも意識がおかしい場合や、水分を与えても自力で飲めない状況では、すぐに救急車を要請して下さい。




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