暖かい日も多くなってきました。インフルエンザA型の流行は減少傾向が続き、B型も減少傾向になってきました。また、新型コロナウイルス感染症の発生も少なくなってきています。子どもでの症状は軽症で治る傾向が強く、過剰なまでの心配は不要と思います。その他には、軽症で治る嘔吐下痢症や夜に咳き込む風邪は依然として流行しており、症状が発熱だけの風邪、のどの痛みを訴える風邪、鼻水の強い子、手足口病などもあります。
現在は2種類のインフルエンザA型と2種類のB型がありますので、短期間で、2回、3回感染することもあります。
インフルエンザの治療薬は発症早期に使用したほうが効果が良いのですが、タミフルは美味しくありませんので、服用を拒否する子もいます。治療することで発熱期間などが短くなりますが、薬を使用しなければならないわけではなく、使用しなくても自然に治ります。
現在流行中の嘔吐下痢症は腹痛や嘔吐が主症状で下痢を伴わない場合が多いのですが、ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルス、サポウイルス、アストロウイルス、パレコウイルスなど、多くのウイルスが原因となり、これらのウイルスを抑える薬はありません。水道水での手洗いが基本です。消毒用アルコールは効果が不十分で、ミルトンやキッチンハイターなどの塩素系の消毒薬や漂白剤および85℃で1分間以上の加熱が有効とされています。
手足口病は口周囲、手のひら、足の裏に小さな水泡性の発疹ができます。乳幼児では肘、膝や臀部(お尻)にも発疹ができます、手掌や足底の発疹は多少痛がることもありますが、痒みはありません。口内炎になると痛みを伴いますので、ウドン、ゼリー、プリン等の刺激性の少ない食べやすい食事にして下さい。3割ほどの子に微熱が出る場合もあります。潜伏期は3〜4日です。有効な治療薬は無く、数日〜1週間で自然治癒します。発熱や口内炎が痛くて食事が摂れないなどの特殊な状況以外での出席停止や隔離は現実的ではないとされています。
頻繁な手洗いのために手荒れや指が赤く腫れた凍瘡の子を見かけます。子どもは手洗いの後の手拭きを丁寧にはしませんので、空気が乾燥していることもあり、手が荒れます。保湿剤による手の保護をお願いいたします。頻回すぎる手洗いは手の皮膚を傷めます。また、手足を濡れたまま放って置くと気化熱により皮膚の表面温度が下がり、凍瘡になりやすくなります。手足が濡れたら、早く、しっかりと拭き取って下さい。インフルエンザウイルスやコロナウイルスは飛沫・空気感染が主で、接触感染は多くありません。心配な気持ちはわかりますが、過剰な手洗いまでは不要と思います。
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