令和4年11月21日


 寒くなりました。現在は新型コロナウイルス感染症の他に、細気管支炎と軽症で治る嘔吐下痢症の発生が目立っており、例年と同じく当分続くと思います。また、一般的な風邪も多くなってきており、夜に咳き込む風邪、症状が発熱だけの風邪、のどの痛みを訴える風邪、鼻水の強い子、夏風邪と言われる手足口病などもあります。

 赤ちゃんをホットカーペットの上などに直接寝させると、背中からの熱で、低温熱傷になることもあり、注意が必要です。特に、あまり動かない、寝返りのうてない赤ちゃんや小さな子どもでは危険性が増すことになり、ホットカーペットや床暖房の上に直接寝てしまうと、乳幼児の体温は危険な領域まで上昇する可能性があり、低温やけど以外にも脱水症や熱中症になる可能性もあります。ホットカーペットや床暖房の上では、小さな乳幼児を、いかなる場合でも寝させないで下さい。

 小児は発熱時に、壁に向かって一人でしゃべる、一人で笑う、「−が来る」「−が見える」「怖い」などと叫び、恐怖の対象から逃げようとするといった行動が時々見られます。これは脳症ではなく、熱せん妄といわれる状態です。高熱になると小児では神経系が未熟なため、熱せん妄といわれる幻視や幻聴などの幻覚や異常行動などが生じやすくなるのが原因で、年齢が大きくなり神経系が成熟するに伴いおこらなくなってきます。幻覚の内容によっては恐怖で走り出す場合もありますので怪我をしないように注意して下さい。

 インフルエンザはウイルスと接触後1〜3日で発症し、高熱のために熱性けいれんや幻覚(幻視、幻聴)による異常行動が生じやすくなります。治療にはタミフル、リレンザ、イナビル、ゾフルーザなどが使われますが、発症早期に治療を開始したほうが効果がありますが、タミフルは美味しくありませんので、服用を拒否する子もいます。治療することで発熱期間などが短くなりますが、薬を使用しなければならないわけではなく、使用しなくても自然に治ります。

 ボルタレンやポンタールなどの脳症を起こしやすくする解熱剤があります。解熱剤は熱のため機嫌が悪く寝てくれないなどに限定してアセトアミノフェン(カロナールなど)を少量使用するなどにとどめて下さい。総合感冒薬(いわゆる風邪薬)のほとんどに解熱剤が含まれており、脳症を起こしやすくする解熱剤が含まれている薬もあります。注意が必要です。脳症は意識障害や痙攣が長時間持続して脳に後遺症を残しやすい病気ですが発生は非常に稀です。解熱剤を使用しなくてもなりますし、高熱だから脳症になるわけではありません。

 細気管支炎では初期は鼻水、くしゃみ、微熱、咳などの感冒様症状です。咳、鼻水などの風邪の症状が2日程続いた後、息を吐くときにゼーゼーという音がしたり、呼吸回数が多くなり、呼吸時に胸が凹みます。主な原因はRSウイルスで、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルス、メタニューモウイルスなどのウイルスでも生じます。RSウイルスは毎年、冬に流行する風邪のウイルスの1つです。大きな子では鼻風邪で済みますが、乳幼児では稀に細気管支炎や肺炎となる場合があります。小さな子が鼻水に咳を伴っている場合は小児科専門医を受診して下さい。




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