低身長は学校などの集団生活の中や多感な思春期では精神的な問題を引き起こすことがあり、精神的なサポートが必要な場合があります。また、親や保護者の方が同級生の身長と比較することも子供にストレスを与えます。
親、子が共に身長というものを理解し、どういった時に、どの程度で小児科を受診すべきか、治療は必要か、どのような治療法があるのかを理解することが大切です。
今回は、身長についての一般的な考え方です。
1、身長はいつまで伸びるか?
一般的には男子は17歳、女子は15歳頃までです。しかし、思春期が早く来た子は早く止まり、遅い子では遅くまで伸びます。
2、身長の男女差はなぜできるのか?
思春期の出現が女児では9歳半、男児では11歳頃で、1歳半ほどの差があります。つまり、男児のほうが約一年半は身長の伸びる期間が長いということです。また、思春期の伸びも男児のほうが良好です。
3、身長の増加は年齢や季節によって異なる?
身長増加率は年齢によって差がありますし、1年間でも伸びの良い季節と伸びの悪い季節があります。また、その時の全身状態や精神状態によっても変わります。
4、牛乳をたくさん飲めば身長が伸びる?
牛乳中のカルシュームは骨を硬くしますが、身長の伸びにはそれ程影響しません。骨を造るのはたんぱく質です。たんぱく質を十分摂る必要がありますが、今の子どもの栄養は十分足りています。野菜などを含めたバランスの良い食事を楽しく食べることが良い結果を生みます。
5、運動は身長を伸ばす?最も有効な運動はあるのか?
発育時期の子どもの手や足の骨の両端には成長層といわれる骨が伸びる所があります。適度な運動が成長層を刺激しますので成長層が活発化され、身長増加を促します。どのスポーツも楽しく、適度にすることで身長に良い影響を与えます。ただ、過激な運動で成長層に負担をかけ過ぎると逆効果です。運動に打ち込むことも青春です。運動の程度は各自判断して下さい。
6、低身長の主な原因は?
@成長ホルモンや甲状腺ホルモンが不足(治療が必要)、A骨の病気(診断後に治療)、B思春期が早く来すぎた(小さい頃は大柄ですが、早く止まるため最終身長は小さくなります。早い思春期は治療が必要)、C愛情遮断(今まで以上に愛情を注いであげて下さい)、病気ではないです(精神的なサポートは必要です)がD家族性、E思春期が遅くまだ来ていない、F低出生体重児などがあります。
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