2024年 11月24日 放送
小児のインフルエンザ

 咳などを介して伝播、流行し、高熱や関節痛、筋肉痛、頭痛、咳など症状が出ます。年少児では脳症が、高齢者では肺炎が問題となります。

2種類のA型と2種類のB型ウイルスが毎年流行し、ウイルスは大小様々な変化を常におこしていますので、一冬で2、3回発症することもあります。インフルエンザワクチンはこれらの4種類に対応しています。

 ウイルスと接触後1〜3日で発症し、2〜7日間続きます。高熱のために熱性けいれんや幻覚(幻視、幻聴)などによる異常行動が生じやすくなります。高熱になると脳細胞から化学物質が過剰に放出されるため、神経系の未熟な小児では熱せん妄(幻覚、異常行動)が生じやすくなるためと考えられています。恐怖を感じるような幻覚では走りだしたりしますので、けがをしないように注意して下さい。

 ボルタレンやポンタールなどの脳症を起こしやすくする解熱剤があります。解熱剤は熱のため機嫌が悪く寝てくれないなどに限定してアセトアミノフェン(カロナールなど)を少量使用するなどにとどめて下さい。総合感冒薬(いわゆる風邪薬)のほとんどに解熱剤が含まれており、脳症を起こしやすくする解熱剤が含まれている薬もありますので、病院や薬局でもらう薬にも注意が必要です。

 脳症は乳幼児に生じやすく、意識障害や痙攣が長時間持続して脳に後遺症を残しやすい病気ですが、解熱剤を使用しなくてもなりますし、高熱だから脳症になるわけではありません。

 タミフルやリレンザなどの治療薬は発症2日までの使用で症状を軽くしますが、使用しなくても5日程度で治ります。






2024年 10月27日 放送
ウイルス性胃腸炎(嘔吐下痢症)

 頻回の嘔吐と下痢を伴います。潜伏期間は1〜3日で、嘔吐は1日程度で治まります。下痢は淡黄色や白っぽいクリーム色の水様便になることが多く、4〜5日間続きます。現在流行中の嘔吐下痢症は軽症で、下痢を伴わない子もいます。

 ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルス、サポウイルス、アストロウイルス、パレコウイルスなどのウイルスが原因です。それぞれタイプが多数あり、一冬に数回かかることもあります。これらのウイルスに対する薬はなく、治療方法も変わりません。

 患者の吐物や下痢便中にウイルスがあり、これらを触って、口の中にウイルスが入ることによる感染が主です。吐物や便を触った後は石鹸を使い水道水で手洗いを十分して下さい。消毒用アルコールは効果が不十分で、ミルトンやキッチンハイターなどの塩素系の消毒薬や漂白剤および85℃で1分間以上の加熱、紫外線(太陽光)がこのウイルスの消毒に有効とされています。乾燥するとウイルスが空中に広がりますので、吐物や便を濡らした新聞紙などで直ぐに覆い、きれいに拭き取って下さい。

 嘔気のある間だけは食事を止め、20〜30mlのイオン飲料水やお茶を与えて下さい。その後徐々に1回量を増やし、十分飲めるようになったら出来るだけ早く消化の良い食事を開始して下さい。食事は腸の回復を助けます。

 下痢が続きますので、牛乳や乳製品、ジュースなどは中止して下さい。吐気がなければ消化の良い食事は欲しがるだけ与えて下さい。下痢は体に害のあるものを早く出すようにしている身体の防御反応の可能性が高いことを考慮して、乳幼児では薬で無理に止めないのが一般的です。整腸剤で腸の働きやバランスを良くして腸の回復を待ちます。ひどい嘔吐には嘔吐止めを使用します。






2024年 9月22日 放送
子どもの服装

 衣服は外気温や年齢、発育の状況、使用目的などによって選択する必要があります。生後1〜2か月頃では体温調節機能は未熟なために服の主目的は保温であり、全身を覆う長着の主体です。ただ、この頃に股関節の動きを妨げると将来の変形性股関節症を起こす可能背がある先天性股関節脱臼になりやすく、オムツも含め下肢が自由に動かせる様な、ゆったりとした服装が基本です。

 保湿性や通気性の良い、頻回の洗濯にも耐えうる肌ざわりの良い木綿の下着、伸縮性が良く体型に合った動きやすい服、子どもが着脱しやすい単純な形の服を四季の変化に合わせて使用するのが基本です。一般的には服の主目的が保温である生後2か月頃までは大人より1枚多めの服装で、その後は大人と同程度、生後6か月頃以降は大人よりも1枚少なめと言われます。子どもは走り回りますので、大人よりも暑さを感じますし、発汗も多く、薄着が基本です。幼児では少なくとも大人よりも1枚少なめか同程度で、子どもが気持ち良く感じる服装にして下さい。

 冷たい空気は下に移動しますので、寝ている赤ちゃんは成人よりも寒く感じているかもしれません。逆に、床暖房やホットカーペットの上の赤ちゃんは、暖かく感じており、長時間になると低温熱傷や熱中症などにも注意が必要です。抱っこ紐での抱っこでは、お母さんの体温で赤ちゃんは温かくなります。ベビーカー内は夏では地面近いため暑くなりますが、冬は地面に近いほど気温が低く、風にも配慮する服装が必要です。

 暑がり、寒がり、よく動く子、静かな子など子どもの個性や体質の違いにも考慮が必要です。夏冬にかかわらず、下着は通気性や吸湿性が良い清潔な木綿の製品が基本で、冬でも子どもに発熱インナーの下着は不要です。

 自分で服を着れる場合は脱着しやすい服で、事故防止の観点からは紐類やフードは付いてない方がよく、なるべくシンプルな服を選んで下さい。






2024年 8月26日 放送
夏バテ

 夏の疲れやダメージが身体に溜まって生じる体調不良を夏バテと呼んでいます。暑い夏の体温調節に多くのエネルギーを消費し、暑さでの睡眠不足や食欲不振、スポーツなどのさらなる負担で身体の対応能力に無理が生じ、元気がない、すぐに疲れる、身体がだるい、イライラする 、食欲不振、立ちくらみ、胃腸の不調など漠然とした身体の不調や限界というサインが出ている状態を夏バテといっています。

自律神経の不調や胃腸の働きの悪化などが誘因となります。

暑くなると発汗や放熱のために自律神経がフルに働いており、バランスを崩しやすくなっています。自律神経のバランスを乱す大きな原因は睡眠起床時間の乱れた不規則な生活と過度のストレスですので、早寝早起きの習慣で生活のリズムを安定させることが大切です。また、発汗を補う水分補給も必要ですが、食事も水分ですので、空調の効いている室内では特別な水分補給は不要です。

 暑いと体表面への血流が多くなり、胃腸への血流が少なくなって胃液などの消化液が減って胃腸に負担がかかりますし、冷たい飲料で胃腸の温度が下がり、消化酵素の働きも低下しています。

 夏バテ予防対策にはバランスの良い食事を摂取し、発汗機能を高め、十分に身体を休めることが重要になります。子どもはジュースやスナック菓子などを多く食べますのでこれらの代謝にビタミンB群は必須です。栄養バランスの良い、胃腸に負担の少ない食事内容も重要です。エアコンが効いた部屋でのジュースやお菓子、ゲーム、TV、ビデオやユーチューブ三昧といった快適生活では肥満以外にも発汗能力が低下し、自律神経の不調も生じますので、外遊びや適度な運動で、発汗習慣を身につけさせて下さい。疲れを溜めないように周囲がコントロールしてあげることも必要です。






2024年 7月28日 放送
子どもの外遊び、夏太り

 夏に外で遊ぶと熱中症や日焼けなどの心配があります。しかし、外遊びは体力や気力、自律神経の発育や精神的な発育に欠かせませんし、メタボリック症候群の予防にもなります。気候を感じ、怪我をして痛みを知る、友達と遊ぶことで協調性が養われ、ストレス発散の手段としても非常に有用です。外遊びや運動で汗をかく習慣は体温調節機能を向上させ、夏バテや熱中症の予防にも役立ちます。

紫外線は、皮膚の細胞を傷つけ、日焼けを作り、皮膚で骨の発育に重要なビタミンDを合成します。紫外線で遺伝子が傷害されても、自動的に修復されます。また、日本人は黄色人種ですので、皮膚のメラニン色素を増やして紫外線の影響を受けにくくする機能を持っています。急に強い紫外線は困りますが、日頃から外遊びをさせて紫外線や暑さに慣れさせて下さい。外で遊ぶときに帽子や涼しい衣服、日焼けしやすい子ではサンスクリーン剤で防御する必要はありますが、極端な紫外線対策は不要と思います。

外遊びやスポーツには外傷などの危険は伴いますが、経験になりますし、身体や精神、自律神経を鍛え、思いやりや心の規範意識を育てます。危険防止を心がけて楽しい外遊びをさせてあげて下さい。

夏休み中は室内で遊ぶことが多く、冷房の効いた部屋で、テレビ、ビデオ、ゲーム、ユーチューブ三昧とお菓子、ジュースといった現在の生活では夏太りに注意が必要です。ただ、肥満による悪い影響が出る程度は個人によって異なります。悪い影響さえなければ多少の肥満はかまわないという考えもあります。食べることは楽しいことですし、子どもでは身体の発育が大切です。子どもは身長が伸びるため、お菓子などの間食やジュースを控えて体重を増やさないようにするだけで肥満度は低下します。






2024年 6月23日 放送
熱中症

 熱中症は高温環境やスポーツ活動などによって体内で作られた熱が生理的反応の適応範囲を超えた結果、体温を維持するための水分や電解質の代謝がうまくいかなくなった病態です。

 身体が暑熱環境や体の発熱に馴れていないと生じやすくなります。@気温は高いときに起こりやすいのですが、気温はそれほどでもなくても湿度の高いときA前日に比べ急に気温が上昇したB無風状態C砂やアスファルトなどの日光の反射が多い所などが起こりやすいとされています。空調のない室内でのスポーツも要注意です。子どもの環境をチェックし、予防を心がけてください。

 晴天のときには照り返しのために地面に近い低い位置の気温が高く、子どものほうが暑さを感じています。特にベビーカーの中は風通しも悪く注意が必要です。晴れた日の空調を止めた車の中は非常に暑くなりますので、子どもを車内に放置する事は止めて下さい。

 睡眠不足、運動不足などの体調不良は熱中症を起こしやすくなります。服装は通気性の良い、放熱を促進する服を使用し、外では帽子をかぶって太陽光をさえぎる服を選択して下さい。お水やイオン飲料水、経口補水液などの水分補給はこまめに行なって下さい。日頃から外遊びを奨励し、暑さに慣れるような生活を心がけて下さい。

 初期症状はめまい、立ち眩み、だるさ、こむら返り、頭痛などですので、発症予防のためや初期症状を見つけたときは涼しい環境で休ませ、水分補給を十分に取ることが重要です。子どもの顔が赤く、汗をかなりかいている時は身体の深部体温はかなり上昇している可能性があり、涼しい環境下で休ませてあげて下さい。強い疲労感や嘔吐、意識障害などの症状が出ている場合は、点滴や入院が必要ですので、救急車を要請して下さい。






2024年 5月26日 放送
夏の食中毒

 腹痛、嘔気・嘔吐、下痢などの症状で発症し、菌が腸管壁へ侵入すると便に血液や膿が混入します。ブドウ球菌などは食物の中で増殖して毒素を出し、その蓄積された毒素を食べての発症ですので食後1時間程度で発症しますが、一般的には、菌が腸管内で増殖してからの発症ですので、8時間から数日後の発症です。

腸炎ビブリオは夏の魚介類のエラや内臓に存在します。真水や低温に弱いため、よく洗い、冷蔵庫での保存が重要です。カンピロバクターは鶏肉を介する感染が主です。サルモネラは卵、鶏肉、ミドリガメなどのペット類からの感染が主で、乳幼児では重症化しますので、乳幼児には爬虫類を触らせないか、触った後の手洗いが重要です。腸管出血性大腸菌は牛肉からの感染が主です。

 食べた細菌数や毒素の量が少なければ自然に治ります。菌や毒素を少なくすることが重要で、@菌を付けない:食品や調理器具、手をよく洗う。A増やさない:なるべく早めに食べる。冷蔵庫などに保管してください。ただ、冷蔵や冷凍では菌の増殖は止まりますが、殺菌はされず、冷蔵庫から出すと菌はすぐに増殖を開始します。B菌を殺す:十分な加熱処理を行うなどを心がけて下さい。加工肉では内部までの十分な加熱が必要です。子どもは重症化しやすいため、生レバーや生肉を食べさせないで下さい。

 低温調理法が話題となっていますが、殺菌には「75度で1分以上」の加熱という基準があり、それと同等の効果は「71度で3分」「63度で30分」とされており、肉や魚の表面の温度ではなく、中心部の温度が、この示された温度を超えて加熱される必要があることにも考慮してください。

 抗生剤や整腸剤は使用しますが、下痢を止める薬は病原菌の排出も止め、重症化させる可能性があり、一般的には使用しません。







2024年 4月28日 放送
低身長

 低身長は学校ではいじめ、コンプレックス、精神的な問題などを引き起こすことがあります。低身長になる病気があり、病気の治療で身長が伸びる場合もあります。ただ、思春期が経過して、骨が成熟して身長が伸びなくなってからでは治療法はなく、遅すぎます。一般的に、身長は男児では17歳、女児では15歳頃まで伸びますが、個人差が大きく、早く止まる子もいます。「その内に伸びる」や「親が小さいから」という考えは困ります。親からの遺伝の影響は大きくありません。親、子が共に身長というものを理解し、治療は必要か、必要とすればどのような治療法があるのかを理解することが大切です。心配な場合は小児科専門医を受診して下さい。治療が必要な子では、早期からの治療が身長に良い結果を生みます。

 体質のための低身長もありますが、成長ホルモン分泌不全症、甲状腺機能低下症などのホルモンが不足する病気が原因の場合は不足しているホルモンを補充することで身長の伸びが良くなり、全身状態も正常化し、身体の働きも活発になり、元気になります。骨の病気やターナー症候群などの染色体の病気での低身長も治療可能な場合があります。強いストレスを感じている場合も身長の伸びが悪くなることがあります。

 骨を伸ばすのはたんぱく質です。たんぱく質などを多くしたバランスの良い食事や十分な睡眠、適度な運動は身長増加を促します。ただ、膝などに負担をかけすぎるスポーツは逆効果のこともありますので、楽しく適度にスポーツをするのが良いと思います。

 牛乳をたくさん飲んでも身長は伸びません。カルシウム、アルギニン、GHRP−2や成長ホルモン舌下スプレーなどのインターネットで宣伝しているサプリメントに身長を伸ばす効果はありません。






2024年 3月24日 放送
清潔な皮膚

 皮膚には肌の水分を保持し、外部からの異物の侵入を防いでいる表皮と皮脂膜によるバリア機能があります。また、皮膚表面の多くの常在菌のバリアが病原菌から肌を守っています。これらの皮膚バリアが壊れてしまうと、皮膚に異物が侵入してきますし、肌にある水分は蒸発しやすくなります。スキンケアや栄養、生活習慣も含めた対策で皮膚のバリア機能を維持することが重要です。

 良い皮膚の状態とは、常在菌がバランスよく存在して、皮脂が常在菌で処理されて弱酸性の皮脂膜で皮膚が覆われ、アルカリ性を好む病原菌が繁殖しにくくなった状態です。頻回に洗う、ゴシゴシ擦る、洗浄力の強い洗浄剤を使うなどの過剰な洗浄では皮膚常在菌が失われ、弱酸性の皮脂膜が洗い流されてバリア機能が弱まります。健全な皮膚常在菌を育てて健全な皮膚環境を作るためには、洗い過ぎない事が大切です。

 普通の石鹸や洗浄剤は弱アルカリ性ですが、洗った後は水道水で流しますので、皮膚はすぐに弱酸性に戻ります。弱酸性の洗浄剤は洗浄能力が弱いものが多く、普通の子では香料などを含まない普通の石鹸(小さな子ではベビー石鹸)で良く、その後に十分に流すことが大切です。

 手洗いが奨励されていますが、頻回の手洗いでは手が荒れますし、アルコールによる手洗いでは常在菌のほとんどを殺します。皮膚が荒れた常在菌の少ない部位には病原菌が増殖しやすくなります。汚れや汚染物などで手が汚れていれば丁寧な手洗いは必要ですが、遊具や家具を触った程度での手洗いまでは不要と思います。

一般の細菌やウイルスの刺激でヒトの身体や免疫状態が健康に保たれています。清潔にし過ぎると身体や免疫力に弊害が出ます。






2024年 2月25日 放送
こどもの貧血

 血液中の赤血球や赤血球内のヘモグロビンという酸素を運ぶたんぱく質が減少した状態で、肺で取り込んだ酸素を体内に運ぶ力が低下し、全身の代謝が低下してエネルギー不足が生じます。乳幼児では極端な貧血が3か月以上続くと精神や運動の発達が遅れる可能性が指摘されています。

 顔色が青白く、唇や爪などの色も白っぽくなり、元気がなく、軽い運動でも動悸や息切れがし、めまいなどの症状が出ます。

 主な原因は偏食による鉄分の不足です。乳児では離乳食が極端に遅れた場合、幼児以降では偏食で鉄分やたんぱく質摂取の少ない子に貧血がみられます。牛乳には鉄分が少ししか含まれていませんので、牛乳を大量に摂取して食事量が少なくなると貧血になります。長時間走ったりジャンプしたりすることによる筋肉内や足底血管内の赤血球破壊が原因でおこるスポーツ貧血もあります。乳児期や思春期では成長が急激ですので、たんぱく質や鉄分の必要性が増します。また、思春期以降の女子では月経出血もありますし、やせ願望による無理なダイエットでは強度の貧血になります。

 鉄分は赤身の肉や魚の血合いに多く含まれます。鉄分は肉や魚などに含まれるヘム鉄と穀物や野菜などに含まれる非ヘム鉄に分類され、非ヘム鉄は腸管からの鉄の吸収率はよくありませんが、ヘム鉄やビタミンCとの摂取で吸収が促進されます。食事では肉や魚、野菜と果物を一緒に摂取することが望まれます。バランスの取れた食事が鉄欠乏性貧血を予防しますし、治療にもなります。食事療法で改善しない場合や強度の鉄欠乏性貧血では鉄剤を服用します。食事では鉄分の過剰状態にはなりませんが、薬やサプリメントの過剰摂取では、頭痛、食欲不振、肝機能障害、皮膚の黒ずみなどの副反応が生じますので注意が必要です。






2024年 1月22日 放送
ミルク嫌い

 母乳は飲むがミルクは飲まないという赤ちゃんがいます。いろいろ努力しても母乳が不足する場合や生後早期から保育所や託児所などに預ける場合に問題となります。ミルク自体が嫌なのかミルクに付随するものが嫌なのか、色々な対策を根気よく試みることになります。搾乳した母乳を哺乳瓶で飲むかを確かめて、飲めれば哺乳瓶や乳首の問題は考えにくく、預けると決めた時点から搾乳を開始して母乳パックでの母乳の冷凍保存を開始します。

 ごく稀にはミルクアレルギーや病気のこともありますので注意は必要ですが、@飲ませるときの抱っこの姿勢を変えてみるA溶かす水をチェックするB乳首の種類を変えてみるCミルクの温度を変えてみるD赤ちゃんの眠たい時に飲ますEミルクの銘柄を変えてみるF入浴後などの喉が渇いている時に飲ましてみるGスプーンやカップを使うなどを試みます

 イライラしたり、無理に飲ませようとすればするほど、赤ちゃんはますます嫌がって飲まなくなります。育児書やミルクの缶に書いてある1日哺乳量はあくまで目安であり、活発で体重の増加が良ければ、基準の哺乳量より少なくても、その子にとっては十分なのです。病気が否定されれば、体重の増加が不良の場合でも、活発であればミルクは少なくても飲んでくれるだけ、母乳も出てくれるだけで我慢をする必要があります。水分補給や空腹で泣くときには果汁や野菜スープ、重湯、赤ちゃん用のイオン飲料水などを与えて様子をみます。生後4か月頃から、早めの離乳食をつぶし粥から開始して、あせらず、ゆっくり進めます。体重の増えはゆるやかですが、子どもが元気であり、体重が確実に増えていれば心配は要りません。子どもはよほどのことがない限り健全に育ちます。離乳食が進んでくれば徐々にですが体重は追いついていきますし、後遺症も残しません。それまであせらず我慢です。





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