発熱は病気に気づくきっかけとなります。発熱を心配するのは当然ですが、心配しすぎないようにしましょう。急を要する病気の症状のこともありますが、ほとんどはウイルス性の感染症(いわゆる風邪)です。こういったウイルス性感染症に効く薬はほとんどありません。ウイルスと戦う体力が重要です。涼しい気持ちの良い環境つくりを心がけてください。水分補給が重要です。食べられるものから食べてください。
1、考え方
1)乳幼児では1年間に5〜6回の熱発があるのが一般的です。特に保育園や幼稚園に行き始めの1年間は頻繁に熱を出します。また、兄弟がいると発熱する機会も多くなります。
2)発熱や下痢を生じさせるウイルスはたくさんあります。これら一つ一つのウイルスに感染し、抵抗力を獲得することで、次第に感染するウイルスが減少し、熱発の頻度も少なくなります。
2、発熱時の対応
1)熱が高くても機嫌が良い場合はあせらず、落ち着いて小児科専門医を受診しましょう。熱が低くても機嫌がかなり悪い、ぐったりしている、呼びかけに対する反応が悪い(意識低下)などの場合は救急で小児科専門医のある病院を受診するようにしましょう。
2)原因はウイルスによることがほとんどであり、この場合は抗生剤(マイシン)は効きません。ただ、乳児などではその後の細菌感染を予防する目的で使用する場合もあります。
3)リュウマチ熱、急性腎炎などをおこしやすい溶血性連鎖球菌(溶連菌)など特殊な菌の場合は一定期間の抗生剤服用が重要です。
3、熱性けいれん
親や兄姉に熱性けいれんがあればおこしやすいといわれています。前もって対応を相談しておくことも考慮してください。
4、解熱剤の使用
解熱剤は熱を下げて子供の機嫌を良くしますのでありがたい薬ですが、熱を数時間下げるだけであり、病気は治しません。数時間の効果が切れれば再度熱は高くなります。解熱剤の使用は38.5または39℃以上で、熱のために機嫌が悪い時や寝てくれないなどの時に限定し、なるべく使用回数を減らしましょう。アセトアミノフェンやイブプロフェンが無難です。インフルエンザの時はボルタレンやポンタールなどの解熱剤は脳炎・脳症などとの関係が言われていますので使用しないでください。
解熱剤の効果としては少なくとも1℃以上下がるのが望ましいのですが、種類や量によっては強すぎて低体温やショックになることがありますので注意してください。
|