2021年 4月25日 放送
子どもの健康チェック


 5月5日はこどもの日です。元気さ、食欲、体格、運動能力、知的能力、やさしさ、行動、対人関係などチェックして下さい。また、入学や新学期での環境の変化に加え、コロナ感染予防による日常活動への抑制のストレスもあり、大きなストレスがかかっていますので親子ともにストレス発散が必要です。

1)予防接種は予定通り接種されていますか。
 感染を予防できますし、かかっても軽症で治ります。副反応は全く無いわけではありませんが、自分の子どもへの個人防衛、妊婦さんや基礎疾患を持った子どもへの感染予防義務に加え病気の流行を抑制します。乳児の髄膜炎予防のためのワクチンは生後2か月から開始できますので、なるべく早期接種をお願いします。日本脳炎ワクチンは19歳までが経過措置で無料になる子もおります。接種無料券が使える年齢が限られています。不明な場合は保健所や小児科専門医に問い合わせて下さい。おたふくかぜワクチンなどの国の定期接種以外も、有料にはなりますが接種は可能です。

2)健診での身長や体重の伸びは順調ですか。
 健診での身長や体重の数値を母子手帳にある男女の年齢別の身長や体重を書き込めるグラフに印をつけて下さい。自分の子が日本人の平均に比べて身長や体重がどの位置にあり、伸び率はどうかなどがわかります。
 身長がかなり低い場合や伸びが悪い場合はホルモンの分泌が少ないなどの病気のこともあり、治療で身長が良く伸びる場合があります。治療は必要か、どのような治療法があるのかを理解することが大切です。2歳頃までの肥満体は問題ないのですが、小学校以降でかなり太っている場合は脂肪肝など肝機能や糖尿病のチェックが必要です。肥満自体が問題ではないのですが、身体に異常が生じるほどの肥満は困ります。
 逆に、やせ体型にも問題があり、ダイエットには低身長、子宮や卵巣の発育不全、将来の不妊や骨折のしやすい身体になる可能性があります。特に十代での過度のダイエットは危険です。






2021年 3月28日 放送
低身長


 低身長はいじめ、コンプレックス、精神的な問題などを引き起こすことがあり、精神的なサポートが必要です。低身長になる病気があり、その病気を治療することで身長が伸びる場合もあります。ただ、思春期が過ぎて、骨が成熟して身長が伸びなくなってからでは治療法はなく、遅すぎます。一般的に、身長は男児では17歳、女児では15歳頃まで伸びますが、個人差が大きく、早く止まる子もいます。「その内に伸びる」や「親が小さいから」という考えは困ります。親からの遺伝の影響は大きくありません。親、子が共に身長というものを理解し、治療は必要か、必要とすればどのような治療法があるのかを理解することが大切です。心配な場合は小児科専門医を受診して下さい。治療が必要な子では、早期からの治療が身長に良い結果を生みます。
 体質のための低身長もありますが、成長ホルモンや甲状腺ホルモンなどが不足する病気の場合は不足しているホルモンを補充することで身長の伸びが良くなり、全身状態も正常化し、身体の働きも活発になり、元気になります。骨の病気やターナー症候群などの染色体の病気での低身長も治療可能な場合があります。強いストレスを感じている場合も身長の伸びが悪くなることがあります。
 骨を伸ばすのはたんぱく質です。たんぱく質などを多くしたバランスの良い食事や十分な睡眠、適度な運動は身長増加を促します。ただ、膝などに負担をかけすぎるスポーツは逆効果のこともありますので、楽しく適度にスポーツをするのが良いと思います。
 牛乳をたくさん飲んでも身長は伸びません。カルシウム、アルギニン、GHRP−2や成長ホルモン舌下スプレーなどのインターネットで宣伝しているサプリメントに身長を伸ばす効果はありません。






2021年 2月28日 放送
小児の発熱


 高熱になると機嫌が悪くなり困りますが、40℃以上になっても、風邪の高熱のみでは脳に障害を残しません。発熱は細菌やウイルスに対する防御反応の1つで、病気に負けて熱が出るわけではありません。体温が急上昇する際の寒気が強い時には温かくしますが、それ以外は薄着が基本で、涼しい気持ちの良い環境にして下さい。ゼリーやアイスクリームやお菓子など、何でも食べてくれればありがたいと考え、数日間は栄養バランスを無視して下さい。
 水枕や冷却ジェルシートは子どもが嫌がれば止めて下さい。熱があっても機嫌が良ければ短時間の入浴は可能です。ぐったりしている、呼びかけに対する反応が悪い(意識低下)などの場合は救急で小児科専門医のある病院を受診して下さい。
 解熱剤は熱を下げて子どもの機嫌を良くしますが、病気は治しません。解熱剤で無理に熱を下げる必要はなく、解熱剤の使用は熱のために機嫌が悪い時や寝てくれないなどの時に限定し、アセトアミノフェン(カロナールなど)を使用します。病気にもよりますが、他の解熱剤は脳症を起こしやすくなる場合もあり、使用しないで下さい。風邪薬といわれる総合感冒薬にも解熱剤は入っています。注意が必要です。
 熱性けいれんは6歳以下の子どもの5〜8%に生じます。身体全体が堅く伸びきったり、筋肉や手足がピクピクとリズミカルに動き、意識が無いのが特徴です。身体を揺すったり、口の中に指などを入れないで下さい。数分以内に止まり、後遺症は残しません。
 高熱になると神経系の未熟な小児では熱せん妄といわれる幻視や幻聴などの幻覚や異常行動などが生じる場合があります。怪我をしないように見守ってあげて下さい。けいれんが15分以上、熱せん妄が1時間以上続けば救急受診が必要です。






2021年 1月20日 放送
熱傷(やけど)


 暖房器具や調理器具での熱傷の多い時期です。高温の場合は発赤や腫脹が出現し、腫れや水疱が数日間進行する場合もあります。また、40〜55度くらいの比較的低い温度でも持続的に接触すると低温熱傷になり、皮膚の深い部分まで障害されますので、見た目よりも重症です。
 出来るだけ早く熱傷の部分を冷やすことが大切で、冷やすことで熱傷の進行を止め、痛みも抑えることが出来ますし、傷跡が残りにくくなります。近くの冷たい水やお茶をまずかけて下さい。水道水を流しながらや洗面器に溜めながら15〜30分間冷やします。顔や体幹部では濡れタオルなど、衣服を着ている場合は衣服ごと冷やして下さい。保冷剤や氷などを使用する場合は冷やしすぎないように、広範囲であれば身体が冷えすぎないように注意して下さい。炎症を抑える作用のある軟膏も有用です。水疱を覆う皮膚は細菌感染を防止し、痛みを緩和し、水疱液には皮膚再生を促す成分が含まれていますので、水疱は破らないようにして下さい。破れた場合は軟膏をたっぷり塗って傷口を覆って、傷を保護します。水疱ができた場合や範囲の広いやけどは受診して下さい。
 口や鼻の周りのやけどの場合は、熱い気体や水蒸気などを吸いこんでいる可能性があり、気道粘膜が腫れて、ひどい場合は気道閉塞を起こす気道熱傷を伴っていることがありますので、咳を伴ったり喉を痛がる場合は早期の診察が必要です。
 こたつやホットカーペット、カイロ、湯たんぽ、ストーブなど、低温でも皮膚の同じ場所に長時間熱が加えられると低温熱傷が生じますので、直接皮膚に触れないようにして下さい。あまり動かない赤ちゃんや小さな子をホットカーペットや床暖房の上に掛け布団を併用して寝かせれば、乳幼児の体温は危険な領域まで上昇する可能性があり、低温やけど以外にも脱水症や熱中症になる可能性があります。






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