高熱になると機嫌が悪くなり困りますが、40℃以上になっても、風邪の高熱のみでは脳に障害を残しません。発熱は細菌やウイルスに対する防御反応の1つで、病気に負けて熱が出るわけではありません。体温が急上昇する際の寒気が強い時には温かくしますが、それ以外は薄着が基本で、涼しい気持ちの良い環境にして下さい。ゼリーやアイスクリームやお菓子など、何でも食べてくれればありがたいと考え、数日間は栄養バランスを無視して下さい。
水枕や冷却ジェルシートは子どもが嫌がれば止めて下さい。熱があっても機嫌が良ければ短時間の入浴は可能です。ぐったりしている、呼びかけに対する反応が悪い(意識低下)などの場合は救急で小児科専門医のある病院を受診して下さい。
解熱剤は熱を下げて子どもの機嫌を良くしますが、病気は治しません。解熱剤で無理に熱を下げる必要はなく、解熱剤の使用は熱のために機嫌が悪い時や寝てくれないなどの時に限定し、アセトアミノフェン(カロナールなど)を使用します。病気にもよりますが、他の解熱剤は脳症を起こしやすくなる場合もあり、使用しないで下さい。風邪薬といわれる総合感冒薬にも解熱剤は入っています。注意が必要です。
熱性けいれんは6歳以下の子どもの5〜8%に生じます。身体全体が堅く伸びきったり、筋肉や手足がピクピクとリズミカルに動き、意識が無いのが特徴です。身体を揺すったり、口の中に指などを入れないで下さい。数分以内に止まり、後遺症は残しません。
高熱になると神経系の未熟な小児では熱せん妄といわれる幻視や幻聴などの幻覚や異常行動などが生じる場合があります。怪我をしないように見守ってあげて下さい。けいれんが15分以上、熱せん妄が1時間以上続けば救急受診が必要です。
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