インフルエンザは高熱、関節痛、筋肉痛、頭痛、咳など症状が強く、年少児では脳炎・脳症が、高齢者では肺炎が問題となります。ワクチンでの予防の他に、うがい、マスク、手洗いなどをお願いします。
1、インフルエンザウイルス
香港型やソ連型といわれる2つのタイプのA型とB型が毎年流行しますが、毎年ウイルスが変化しますので、昨年に感染していてもまた感染します。
感染後1〜3日で急に発熱し、38〜40℃が4〜7日間続きます。一旦、熱が下がったように見えた後再度上がることも時々あります。他の風邪に比べ寒気、関節痛、筋肉痛、咳など、症状が強いのが特徴です。ワクチン接種で軽症化が期待できます。
12月末から3月に流行し初期はA型が、遅くなるにつれB型が主流となるのが一般的です。2種類のA型とB型といったように、一冬で数回インフルエンザにかかることもあります。
2、脳炎・脳症
3歳までの乳幼児に生じやすいといわれ、意識の低下や長時間の痙攣が特徴です。脳に後遺症を残しやすい病気です。高熱だから脳炎・脳症になるわけではありません。
ボルタレンやポンタールという解熱剤を使用した場合に脳炎・脳症が生じやすいとされています。その他にも脳炎・脳症をおこすやすいとされる解熱剤もあります。安全性が高いのはアセトアミノフェン(カロナールなど)のみです。熱のため機嫌が悪く寝てくれないなど困る時に限定してアセトアミノフェンを少量使用するにとどめて下さい。薬局で売っている風邪薬や病院でもらう総合感冒薬などのほとんどに解熱剤が含まれています。注意して下さい。
4、治療
インフルエンザの治療薬は発熱出現後2日以内の開始が有効で、早いほうが症状は軽くすみます。タミフルは安全性にため1歳未満と異常行動出現の可能性のため10歳台での使用は原則控えるようになっています。ただ、インフルエンザ自体でも幻覚、幻聴、異常行動が出現する場合があります。少なくとも発症2日間は子どもの行動への注意が必要です。
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