12月末から流行が始まり、高熱、関節痛、筋肉痛、頭痛、咳など多彩な症状を示します。咳などを介して伝播し流行し、年少児では脳症が、高齢者では肺炎が問題となります。
A型とB型ウイルスが流行し、初期はA型が、後半はB型が主流となるのが一般的です。
このウイルスは大小様々な変化を常におこしますので毎年感染しますし、数種類のA型とB型といったように、一冬で数回インフルエンザを発症することもあります。
ウイルスと接触後1〜3日で発症し、39℃程が2〜7日間続き、寒気、関節痛、筋肉痛、咳が強く出ます。高熱のため熱性けいれんが生じやすくなります。
ジクロフェナクナトリウム(ボルタレンなど)やメフェナム酸(ポンタールなど)など、脳症を起こしやすくする解熱剤があります。解熱剤は熱のため機嫌が悪く寝てくれないなどに限定してアセトアミノフェン(カロナールなど)を少量使用するなどにとどめて下さい。総合感冒薬(いわゆる風邪薬)のほとんどに解熱剤が含まれており、脳症を起こしやすくする解熱剤が含まれている薬もあります。注意が必要です。
脳症は小児、特に3歳までの乳幼児に生じやすく、意識障害や痙攣が長時間持続して脳に後遺症を残しやすい病気です。解熱剤を使用しなくてもなりますし、高熱だから脳症になるわけではありません。
タミフルやリレンザなどの治療薬は発熱後2日以内での早期使用開始が有効とされています。これらの薬は症状を軽くしますが、使用しなくても3、4日程度で治ります。タミフルの異常行動が指摘されていますが、リレンザでも、治療薬を使用しなくても発生しています。高熱になると神経系の未熟な小児では熱せん妄(幻視、幻覚、異常行動)が生じやすくなるためと考えられています。
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